読了 空白の叫び / 貫井徳郎

Category : 書評
今朝も雨です。
それでも比較的あったかい。

US-LPGAのファイナルクオリファイで上原彩子、有村智恵が来年の出場権を確保しました。
自分的にはあまり見る機会がないのでですが、まあ、頑張って欲しいとは思います。
でも、やはり自国の選手の活躍があった上での日本人選手の活躍が好ましいとは思います。

PGAツアーのファイナルも決着、日本ツアーから参加ではドンファンがツアーカードを獲得しました。
そのほかにも何名か韓国籍の選手が獲得、羨ましいかぎりです。



さて、読書感想ですが、

121030_空白の叫び

2006年8月



第一部、第二部をあわせて650ページ(文庫本)を読むのに3週間以上かかっていましたが、同じ分量ほどある最終章の第三部は一週間で読むことができました。

 第一部は三人の14歳の中学生がそれぞれ殺人を犯すまでの経緯と心理描写
 第二部は中等少年院での三人の出会いと厳しく辛い不条理
 第三部は卒院後の「社会」で生きる厳しさと、悪意、犯罪、そして裏切りとその先の結末
を画きます。

この物語は2000年の少年法改正前の話で、14歳はまだ刑事罰に問われない前提です。
ですから、この三人は罪を購うことは法的に強制されることはありません。
しかし、であるからが故、贖罪の念は自己に深く刻み込まれ、そして被害者側の怨念は晴れることがなくこれまた膨れ上がっていきます。

この小説は欲望と悪意と空虚と苛立ちとその発露の結果を加害者側、被害者側を含め関わった多くの人々で描いていきます。

主人公の三人、
二人は自分を客観的に捉えながらも、14年間の鬱屈多き体験から育んだ心の中のる荒ぶる狂気(文中では『瘴気』と呼んでいる)を抱いているが、あることから逆鱗にふれ殺人を犯す。達観ともいえる空虚感を持ち合わせる一方、犯した罪に苛まれ苦しもがいたり・・・。
もう一人、最初悪や罪に一番遠いところとして描いた神原、実はたいへん存在感の大きい子でした。

荒ぶる心を宿す少年、最初は動物虐待やイジメなど救いようのないキャラクターで描かれますが、ページを重ねる毎に彼の苦悩は読者に共感されていきます。
一方、弱体で大人しくまじめ、一見善良な少年が本質である『空白が故の悪』の本性を現していきます。このコントラストは凄いとしか良いようがありません。

最初は気が重くてなかなか前に進めませんでしたが、折り返し点を越えたあたりからサスペンス小説としてのドライブ感が増して一気に最後まで進めさせてくれました。
出てくる少年の客観的視点や老成度などは違和感がありましたし、ミステリーとしては早い段階でネタが分かったところもありますが、それでも重いテーマを先へ読ませる秀作ではありました。


自分的評価は☆4.25(☆5つがMax)


さて、次は、

20121204_大誘拐


『推理小説最高傑作』と評する方もいますが、1978年発表と35年近い前の作品です。
どうなることでしょう。

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二匹の犬と多摩の地に暮らす

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